いつか親が死ぬ私たちが考えるべき土地活用20の方法

土地活用20種類調べてきました

この世界で確かなことがひとつある。歴史もそれを証明してる。

人は、死ぬ。

こんにちは、不動産の達人を運営している早井です。

突然ですが、あなたの親御さんはお元気ですか?

悲しいことですが、今は元気なご両親もそのときが来れば亡くなってしまいます。

そして残されるのが「不動産」です。

私はわけあって祖母が残した家で住んでいますが、親が家と土地を残したらどうしよう…とふと考えるときがあります。

(祖母の家に住むまでの経緯はこちら⇒おばあちゃんの家を売って分かった「売れない家」10の特徴

いつか来るそのときに備えて、土地活用の準備をしておくのも、残された者の義務なのかもしれません。

そこで今回は初心者でも簡単に始められる土地の活用法20種類を調べてきたので、みなさんにご紹介していこうと思います。

「活用法を知らないから売るしかない」という考えは非常にもったいないので、今回の記事を参考にしてぜひ土地活用に興味を持って欲しいと思います。

※本ページにはPRが含まれます。

土地活用20の方法をざっくり紹介

活用法 費用 収益性 リスク 専門知識 準備期間
売却 不要 3カ月~半年
定期借地 そこそこ 不要 3カ月~半年
駐車場経営 無or有 そこそこ そこそこ 3カ月程度
賃貸アパート経営 高い 高い 高い 必要 1年~2年
賃貸マンション経営 高い 高い 高い 必要 1年~2年
トランクルーム経営 無or有 そこそこ 不要 3カ月~半年
ソーラー(太陽光発電) そこそこ そこそこ 高い 不要 3カ月~半年
オフィス経営 高い 高い 高い 必要 3カ月~半年
店舗併用住宅 高い 高い 高い 必要 1年程度
コンビニ 高い 不要 1年程度
ロードサイド 高い 不要 1年程度
クリニック 高い 高い 不要 2年~3年
老人ホーム 高い 高い 必要 2年~3年
サービス高齢住宅 高い 高い 必要 2年~3年
デイサービス 高い 高い 不要 1年程度
グループホーム 高い 高い 不要 1年程度
等価交換 不要 3カ月程度
土地信託 低い 不要 3カ月程度
農業 安い 低い 不要 1年程度
寄付 必要

上の表は20種類の土地活用方法をざっくり表にまとめたものです。

あまり土地活用に関心がない方なら、余った土地の活用法といえば売るか、家を建てるか、駐車場にするかぐらいしか選択肢は思いつかないものです。

ただ表を見て分かる通り、土地の活用方法はこれだけたくさんあり、人によってベストな選択は異なります。

たとえばコンビニ誘致やロードサイド店舗開発などは、利回りはいいですが、ある程度集客が見込める土地でなければ、業者も話に乗ってくれません。

そのため「自分が持っている土地で実現可能な方法」の中から、あなたの生活スタイルや将来設計に合わせて、ベストな選択肢を選ばなければならないのです。

ということで、ここからは以下の3つの要望別におすすめの土地活用方法を説明していきます。

  1. 初期投資を抑えてリスクの低い土地活用をしたい
  2. 相続性対策のためある程度収益を上げつつ土地活用したい
  3. 何もしたくないけど土地活用したい方

1、初期投資を抑えてリスクの低い土地活用をしたい

リスクが低いのが一番

土地活用に積極的になれない一番の要因は、初期投資を回収できるか不安だから、という方が多いと思います。

私もその口で、損をするのが怖くて何も行動できないタイプです。

ただリスクを抑えることができれば、土地活用したいという気持ちはあります。

親から土地を相続してしたけど、しばらく使う予定はないという方は、以下の土地活用がおすすめです。

  • 定期借地
  • 駐車場経営
  • トランクルーム経営

土地の上に建物がある場合、取り壊し費用がかかってしまうので、別の土地活用法を検討した方がいいと思います。

※物置など軽微なものであれば、十数万円で解体可能です。

ここからはそれぞれの活用法の詳しい内容を説明していきます。

定期借地

空き地

定期借地とは一定期間他人に土地を貸して、その間地代を取って収入を得るやり方です。

元手が一切かからないので、借り手さえ見つけることが出来れば、一番確実に儲けを生み出すことができます。

しかし個人で借り手を見つけるとなればなかなか大変なので、実際には不動産会社に仲介を依頼して、いくらかの仲介手数料を支払うことになります。

ここらへん、土地を貸したい人と借りたい人を繋ぐネットサービスがあれば便利なのですが、誰がやってみませんか?

また定期借地の場合、一度土地を貸してしまうと、借地権が発生するのでたた持ち主の都合で一方的に契約解除などはできなくなってしまいます。

近い将来土地を使う可能性があるかもしれない…という方は、他の方法で土地を活用した方がいいかもしれません。

土地を貸すならコンビニ誘致がおすすめ!

コンビニ店舗

土地を貸すなら店舗型の商業施設を呼ぶのが一番利回りはいいです。

調べたところコンビニは、比較的簡単に誘致することができ、収益も高いのでお得でした。

店舗と駐車場を確保できる面積があれば半年足らずで開業することもできるので、興味のある方はセブンイレブンなどに問い合わせてみるといいですよ。

※土地を貸すだけなので、経営に関わる必要はありません。いわゆるコンビニフランチャイズではないのでご安心を。

駐車場経営

駐車場に並ぶ車

持て余した土地の活用法といえば駐車場を思い浮かべる人も多いですよね。

駐車場は「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類あり、立地条件や初期費用の有無によっておすすめは異なります。

たとえばあまり交通量の多くない土地であれば、周辺住民のために「月極駐車場」を作った方が利益は出やすいです。

月2万円でも4台契約することができれば、毎月8万円、一年間で約100万円の収入となります。

しかし月極駐車場を作る場合、基本的に費用は自己負担なので、ある程度まとまった資金が必要となります。

ざっと調べたところ、駐車場設備に必要な費用は↓の通りです。

種類 費用/㎡
未舗装 2000円
アスファルト 5000円
コンクリート舗装 8000円

さらに区画用ロープや車止めなど設置するとなれば、別途追加費用が必要となります。

種類 費用
区画用ロープ 10円/m
ライン引き 5~7万円~5台分
駐車場番号 1000円/台
車止めブロック 3500円/個
歩道縁石の切り下げ工事 50~100万円

意外と駐車場を作るにもお金がかかるもんなんですね。

一方、交通量が多くある程度利用者が望めるのであれば、コインパーキングにした方がもうかります。

コインパーキングは委託先の業者にもよりますが、初期費用0円で始められるところもあるので、初期費用を抑えたい方にもおすすめです。

駐車場は一度建ててしまえば、維持費があまりかからないのでリスクが少ないのが最大のメリットです。

トランクルーム経営

トランクルーム

最近トランクルームを経営する人も増えていますね。

僕の田舎でもコンテナが積み上げられた空き地を見つける機会が多くなっています。

トランクルームには2種類あり、建物の1階や地下スペースを利用して収納スペースを作るルーム形式と、コンテナを並べるだけのコンテナ型があります。

建物がない土地の場合、コンテナ型が選ばれます。

運営方式もそれぞれで、ただ土地を貸すだけで設備の設置や運営まですべて任せてしまうやり方もあれば、自分でコンテナを設置し業者に貸し出すパターンもあります。

集客できるかどうかの判断は、なかなか素人では難しいので、口コミなどで評判のいい業者に一度相談することをおすすめします。

2、相続性対策のためある程度収益を上げつつ土地活用したい

節税しつつ収益欲しい

相続税対策のためにある程度収益を上げつつ土地活用できたら最高ですよね。

ということでここでは、税金の優遇が受けられる2つの土地活用の方法を紹介していこうと思います。

  • 賃貸住宅経営(マンション・アパート)
  • 高齢者施設経営(老人ホーム・サービス付き高齢者住宅)

税金を削って収益を出すことができれば、言うことなしじゃないですか?

賃貸住宅経営(マンション・アパート)

マンション

マンション・アパート経営って結構ハードルが高く見えますが、土地があるなら結構ローリスクな投資なんです。

もちろん初期費用はかかりますが、投資した分だけ固定資産税は削減されるので、普通にマンション・アパートを建設するよりもかなりお得になります。

運営ノウハウがないから不安という方でも、一括借り上げという不動産会社にすべて丸投げして、家賃の80%~90%貰えるという裏技もあります。

(ただ賃料の10%~20%を取られて、利益を上げる賃貸物件上げる物件があればの話ですが)

最初に投資額と利回りを計算できれば、安定して収益を上げる財産を確保できるので、ある程度広い土地を持っている方にはおすすめです。

高齢者施設経営(老人ホーム・サービス付き高齢者住宅)

ケアセンターの様子

高齢者向け施設は今後数十年間は需要が高まり続けるのでおすすめです。

ただし介護施設を建立するとなれば、運営事業者を見つけるだけでなく、ある程度の広さと設備が必要になり、自治体からの認可も得なければなりません。

ちょっとした事業になってしまうので、ある程度知識と時間が必要となる土地活用ですね。

高齢化社会が進むうちは高い需要が保証されているので、投資という面ではリスクが少ないといえます。

また社会への貢献度も高いので、地域社会に貢献したい人向きの土地活用ですね。

3、何もしたくないけど土地活用したい方

何もしたくない

自分で何かを始める時間もやる気もない方には、以下のどちらかを選んだ方がいいです。

  • 土地信託
  • 寄付

一番よくないのは活用法が分からないからと放置することです。

固定資産税を無駄に支払い続けるだけで、誰の幸せにもならないので、余った土地を持っている方は何かしら行動することをおすすめします。

土地信託

プロパティマネジメントイメージ

土地信託とは信託銀行に土地を預けて、信託銀行に有効活用を考えてもらう土地活用です。

預けている期間、必要経費などを差し引いた利益が配当されるので、安定して収益を得ることができます。

信託期間が終了したあとは、土地と建築した建物はそのまま返ってくるので、基本的に損をすることはありません。

しかし賃貸事業などリスクの高い事業を運用する場合、一部必要資金を負担しなければならないケースがあるので、リスクを避けたい人は信託先へ口を酸っぱくして伝えておきましょう。

銀行は顧客全体で利益を得ればいいので、担当者によってはリスクの高い運用をする人もいます。

しっかり担当者と相談し、信頼できる相手に預けるようにしましょう。

寄付

公園で遊ぶ子どもたち

特にお金も必要でないなら寄付するのが手っ取り早いと思います。

しかし土地を市区町村に寄付しようと思っても、簡単に受け付けてはくれないってご存知でしたか?

少しでも市民から固定資産税を巻き上げるため、基本的に土地を寄付しようとしても対応してくれないそうです。

しかし民間の企業であれば、喜んで引き受けてくれるところはたくさんあります。

先ほど紹介したコンビニ誘致なんかも、そのまま土地を売るというやり方もありです。

また近くの住民と協力して、子どもが遊べるスポットとして公園を作るなんていうのも素敵なアイデアですね。

余った土地を活用して地域に貢献したいと考えている方は、寄付することも検討しておきましょう。

今後土地の値段はどんどん下がっていく

今後日本では少子高齢化に伴い、土地の需要はどんどん落ち込んでいきます。

人が少なくなれば、当然必要な土地も少なくなっていくので、余る土地がたくさん出てくるんですね。

そのためただ土地を眠らせているだけでは、ただ土地の価値がなくなっていくのを見届けるだけになってしまいます。

選択肢としては値下がりする前にとっとと売るか、何かしら付加価値を与えて収益を上げるしかありません。

20歳を過ぎれば、悲しいことですがいつ親が死んでも不思議ではありません。

ある日いきなり土地を相続することになるかもしれないのです。

そんなとき慌てなくてもいいように、土地活用について早めに勉強しておいた方がいいですよ、というお話でした。

ちなみに記事の文頭の「この世界で確かなことがひとつある~」は、ある映画のセリフをもじったものなのですが、皆さん分かりましたか?

正解した人には祖母の家の庭で育てたピーマンを贈呈しようと思います