築30年・3LDKのマンションを最初の査定額より300万円高く売却したN君の話

こんにちは、不動産査定の達人の早井です。

このようなサイトを運営していると、友人から「家売りたいんだけどコツとかない?」といった質問をされる機会が非常に多くて困っています。

高校時代好きだったAさんから「実は離婚して家を売ろうか悩んでるの…」と告げられたときはさすがに少しドキドキしましたが。(Aさん、ごめんなさい)

でも、こうした僕の友人たちは、ブログを読んでくださっている皆様は当たり前に理解している情報も知らないことが多いので、アドバイスし甲斐があるんですよね!「高額で売却できた!」と報告されると嬉しいですし、生の体験談を聞くと勉強にもなります。

今回は、そんな私の友人たちの中でも、特に大成功をおさめたN君の体験をもとに、私のどんなアドバイスが効果的だったのかを紹介していきます!

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築30年・3LDKのマンションに住んでいた友人のケース

名前(仮) N君
年齢 28歳
年収 900万円くらい
勤務先 マスコミ系

中学の同級生の中でも稼ぎ頭のN君。昔は一緒にマリオカートをしたり、花の蜜を吸ったりしたものですが、そんな彼も立派に成長し、今では報道系の仕事をしています。

2年前にN君が3LDKのマンションを購入したと聞いたときは、地元(某ド田舎)のLINEグループが沸きに沸いたものでしたが、そんな彼がある日こっそり相談にきたのです。

話を聞くと、職場(東京)から少し遠くにある神奈川県にマンションを購入したが、一人で住むには広すぎるし、仕事も朝早いので、今住んでいる物件を売って会社の近くに住みたいとのことでした。

それって見栄を張ってただけじゃない?とも思いましたが、私の仕事が忙しかったこともあり、今度詳しくアドバイスをする約束をしました。

3ヶ月後、浮かない顔をしたN君の姿が…

今度アドバイスをすると約束した私ですが、すっかり忘れたまま月日は流れていきました。

決して稼ぎ頭のN君に嫉妬していたわけではないのですが、特に連絡も来ないので無意識に安心してたのかもしれません。

ところが3ヶ月後、急に連絡があり、「今すぐ相談に乗ってほしい」と言われました。

近くのカフェで待ち合わせをすると、そこには打ちのめされた表情のN君が…。

話を聞くと、売り出しから3ヶ月経っても1人も内見希望者があらわれず、困っているとのことでした。

この日を境に、私とN君の二人三脚の日々がはじまるのです。

なぜ3LDKマンションは売れなかったのか?徹底的に分析しました

まず、N君が住んでいるマンションについて調べることにしました。

所在地 神奈川県(田園都市線徒歩10分)
築年数 30年
所在階/構造・階建 1階/RC5階建
専有面積 65.76㎡
間取り 3LDK
総戸数 20戸
その他面積 バルコニ―面積:約9㎡

築年数が少々古いのと、1階というのが気にはなりましたが、広さも立地も申し分ないですし、何より田園都市線まで徒歩10分というアクセスの良さが魅力的です。

十分に魅力はあるのに売れない現状…。私はここで「もしかしたら仲介している不動産会社のほうにも問題があるのでは?」と考えるようになりました。

最大の原因は「受動的に仲介先を選んだこと」だった

それから、N君に不動産会社が作ったマンションのチラシを見せてもらいましたが、やはりアクセスの良さについて強調している印象は受けませんでした。

地域密着型の不動産会社に取りあえず相談したところ、営業マンに勢いで押し切られてしまい、何も考えずに契約してしまったのが原因だったようです。

それから私はN君に聞き取りをする中で、いくつかの改善案を思いつきました。

早井が考えた築30年の中古マンションを売るコツがこれだ!

私が3LDKマンションの情報やN君のこれまでの経緯を聞いた上で提案したのは、以下の6つのアドバイスです。

  1. これまで仲介してくれた業者との契約を解除する
  2. 一括査定サイトを使う
  3. 大手企業を中心に探す
  4. 信頼できる不動産会社と専任媒介契約
  5. 広告文はしっかりチェックすること
  6. 査定額にこだわりすぎるな!

N君は、このアドバイスを忠実に守って行動してくれました。

そして、最初の仲介先が出した査定額より300万円も高く売却することができました。

ここからは、私がなぜこのアドバイスを送ったのかという理由と、実践したことでどうなったかを紹介していきます。

①仲介先は1~2か月で見切りをつけろ!

まず私がN君にすすめたのが、仲介先の会社を変えることです。

すでに依頼をしてから3ヶ月が経っていたので遅いくらいですが、このマンションくらいスペックの高い物件が1~2ヶ月も内見0というのは異常です。

あんまり早くに契約を解除すると向こうも嫌な顔をするでしょうが、会社の責任も大きいので解除できないということはまずありません。

N君の場合はちょうど契約から3ヶ月の更新期間だったこともあり、すんなりと解除できました。

②一括査定サービスは必ず利用すべし!

営業マンの圧力に負けて契約してしまった押しに弱いN君のために私が提案したのが、一括査定サービスの活用です。

1社のみに査定を依頼して、そのまま契約してしまった反省を踏まえて、なるべく複数業者(6社ほど)に依頼をし、査定額を比較するように言いました。

実際に査定額を比べてみると最大で600万円も金額に差があり、N君はかなりビックリしていました。

実は査定額は業者によって異なるというのを知らない方も多いですが、1社だけにしか査定を依頼しないのは絶対に損です。

③人気地域であれば宣伝力の高い大手不動産会社がおすすめ!

N君は一括査定サイトや、不動産会社が自社で提供している査定サービスを使い、大手会社と地域密着型の会社をそれぞれ3社(計6社)にまで絞り込みました。

大手と地元業者。どちらが良いか悩むN君に私は、大手をおすすめしました。

大手の不動産会社の強みは高い宣伝力で、SUUMOやアットホームといった人気ポータルサイトと提携し、全国に物件情報を発信することができます。

首都圏の中でも閑静な地域にあり、都心へのアクセスも良いN君のマンションは、地方から仕事の都合で東京の会社に転勤してくる人に需要があると私は考えました。

ただ、引っ越してくる人がどこに住んでるかなんてわからないので、大手の宣伝力を活かして全国不特定多数に向けて売り出すのが理想的だろうということで、私とN君の意見は一致しました。

④信頼できる不動産会社と専任媒介契約

結局、大手に依頼することにしたN君ですが、優柔不断なので3社から1社に絞り込むことができません。

そこで私がおすすめしたのが、それぞれの担当者と対面で話をした上で相性が良さそうなところと契約を結ぶ方法です。

意外と知られていませんが、不動産会社と売主がちょっとしたことからお互いに不信感を抱くようになったケースは非常に多いです。

担当者も人間なので、複数の案件を抱えている場合は、「この人の家は売ってあげたい!」というものを優先的に売り出すことも考えられます。

売り出しから成約までは思っているよりも長い道のりなので、二人三脚で歩むパートナーという目線で最後は選んでいくと良いでしょう。

⑤ターゲットに刺さるようなキャッチコピーを担当者と一緒に考えよう!

1度目の売却が失敗した原因の1つに、広告文に面白みがなかったことも挙げられると考えた私は、次は広告を出す前に自分でチェックすることをすすめました。

すると、部屋がマンションの1階にあることがネックになると思ったN君は「下の階に迷惑をかける心配なし!小さなお子様連れにピッタリ」というキャッチコピーを思いつきました。

通常は人気がなく売れ残りやすい1階ですが、N君はこれを逆手に取ったのですね!

実際にこの広告は好評で、3ヶ月も内見0だった3LDKマンションには、1日10件近いお問い合わせが来るようになりました。

広告は一番最初に購入希望者が触れる情報なので、写真をきれいに撮ったり、文章を少し変えたりするだけで絶大な効果があります!

⑥一番大事なのは査定額よりも売り出し価格

複数の業者に査定を頼むと、それぞれの違いが見えてきます。

ある日、N君が私に、「査定額が高いが対応がそこまで良くない会社(A社)と査定額は標準的だが対応がしっかりしている会社(B社)がある」という相談をしにきました。

そこで私が提案したのは、B社の売り出し価格を、最も査定額が高いA社に合わせてみてはどうか?ということです。

N君は直感で「B社が成約を取ってくれるだろう」という思いを持っていましたが、査定額に納得できません。そこで、査定額よりも高値で売り出すようにしたのです。

結果はやはりB社の担当者が成約までサポートしてくれたので、N君も満足そうでした。

査定額は絶対ではありません。物件の質が高く、売り方が間違っていないなら強気の価格設定をするのも一つの手ですよ!

 査定額よりも300万円高く売却できて住み替えも大成功!

私のした、ちょっとしたアドバイスを忠実に守ってくれたN君。

最終的に3LDKマンションは、最初の査定額3800万円よりも300万円高い4200万円で売却されていきました!

N君はこの代金を引っ越しの費用にして、無事に都心のデザイナーズマンションに引っ越しをしていきました。

私のちょっとしたアドバイスも効果があったのかもしれませんが、何より、N君の責任感と「高く売るぞ」という意識、高額で売り出す勇気が最初に比べて見違えるほど強くなったのが成功の要因だと思います。

ただ、いくら気持ちが強くてもやり方がわからなければ不動産売却は難しいもの。これから売却することを検討している方は、この記事などを参考に、悔いのないチャレンジをしてくださいね!

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