先日、祖母が亡くなりました。
80歳を迎えられたということで、大往生といっていいと思います。
ただ残された問題が一つだけ。「残された祖母の家をどうする」問題です。
私の両親や叔父たちもすでにマイホームを買っていたので、引っ越すわけにはいきません。
ということで、思い出の詰まった家でしたが泣く泣く売りにだすことに…。
ところが、祖母の住んでいた家は全然売れませんでした。
今生の別れと思い、家が売れるまで私は祖母の家で一人寝泊りしていたのですが、半年を超えたあたりからただ移住しただけになっていました。
別に遺産を残すために高く売ろうとしたわけではありません。最終的にはほぼタダ同然まで値下げしましたが、買い手がつくことはありませんでした。
噂では聞いていましたが、最近は本当に家が売れないんです。
ということで、今回は不動産会社から聞いたり、自分で調べたりして分かった、売れない家の特徴をまとめて紹介していこうと思います。
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目次
1、木造建築は築20年を超えると売れない
不動産会社へ相談した際に、担当者から言われた衝撃的な一言でした。
「売れないって、いくらか値下げしたら売れるんでしょう?」
と訊いても答えはNO。
家などの建築物には法廷耐用年数が設けられており、木造建築の場合は22年経てば建物としての価値は殆どなくなってしまうと言われました。
祖母は家を建ててから30年以上経っていたので、買い手がつく見込みは薄いとのこと。
大切な祖母の家を、赤の他人から価値がないと言われるのはきつかったです。
2、土地の形が三角形や台形など歪な形をしている
祖母の家が建っていた土地は、↑のように三角形に近い台形でした。
土地は正方形に近いほど人気が高く、歪な形になるほど利用用途が限られるので評価が低くなります。
祖母は建物だけでなく土地も持っていたので、最悪土地だけは売れるだろうと思っていましたが、実際に売り出してみると、土地だけでも欲しいという人は現れませんでした。
家屋の取り壊し費用もすべてこちらが負担するのにです。
祖母の家のように工夫すれば家を建てることもできるのに…。
このままの値段では数年待っても買い手がつくことはないと言われたので、思い切って売却価格の値下げに踏み切ることになりました。
3、道路に面する距離が短い
祖母の土地が売れない原因として、道路に面する距離が短いことも理由の一つとして挙げられました。
確かに祖母の家は敷地からのびる通路が道路に面しているだけで、道路に繋がっている通路も車が通るかどうかギリギリです。
そうなると工事のときに重機が入ることはできません。大工の人たちが自分で資材を運んで家を建てていくことになります。
工事にかかる人件費も高騰してしまうため、買い手がつきにくくなってしまうのです。
その他にも不動産会社の人が教えてくれた、売れない土地の条件に祖母の土地はことごとく当てはまっていたのでした。
4、道路から土地までに段差がある
祖母の土地は道路よりも高い位置にあり、つなぐ道路は坂道になっていました。
これも立地条件としては最悪だったみたいです。
確かに毎日坂道を上る土地に家を建てる人は少ないか。
5、私道にしか面していない
祖母の土地と道路をつなぐ通路は、正確には隣の家の人が所有している土地でした。
昔からの付き合いで使わせてもらっていたようで、法律上は祖母の土地は道路に面していなかったんです。
新しく買う人も、交渉次第ではこれまで通り通路を使わせてもらえたと思いますが、わざわざそんな面倒な土地に手を出す人はいませんよね。
6、ヤンキーのたまり場が近い
祖母の家は売れにくいということが分かったので、それからは値下げの日々でした。
しかしいくら売出価格を下げていっても、購入希望者が現れることはありませんでした。
ある日、祖母の家の庭を掃除していると、祖母と懇意にしていたご近所さんに話しかけられ、しばらく世間話をすることに。
そこで、ここ最近ヤンキーが近くの公園で集会を開いているという話を聞きました。
連日連夜、バイクの騒音に悩まされており、引っ越しを考えている人もいるということでした。
おそらく不動産会社もこういった情報は掴んでおり、後々トラブルにならないよう、購入希望者には相談しているんだと思います。
私も一度夜中に彼らの姿を見たことがありますが、今時リーゼント姿で特攻服を着ており、速攻で逃げました。
7、交通機関がバスしかない
祖母が住んでいた土地は、一番近くの駅までバスで30分かかるような場所でした。
交通機関が少ないというのも、家を売る際には不利になります。
車を買おうにも祖母の家の場合、土地の都合上、別途駐車場を借りなければいけないですからね。
都心の不動産が売れないという記事をよく見ますが、交通網が整備されていない田舎の方が断然売れないと思います。
8、地域経済が終わっている土地
田舎の土地を買う人っていうのは、元々近くに住んでいる人が多いんですよね。
都心から田舎の土地を求めてやってくる人もいますが、そんな人たちは田舎の中でも優良物件にしか興味は示しません。
少しでも気に入らないポイントがあれば、他の地域で探せばいいだけ、もしくは買うのをやめればいいだけなんですよね。
というわけで田舎の土地は田舎の人しか買わないし、地域経済が終わっている田舎なら、土地を買おうとする人なんて現れないんです。
9、電話回線が少ない
最近はインターネット回線が必須なので、電話回線の位置も見られるみたいです。
祖母の家は1階にしか電話線が通っておらず、2階でネットを使うなら無線LANでWi-Fiを飛ばすしかありません。
「え、Wi-Fi通じるならよくない?」と思いましたが、電話回線の位置にこだわる人は多いみたいですね。
これから家を建てるなら、家中に電話線は張り巡らせておくべきだと思います。
10、建売物件
これは不動産について調べているうちに知ったのですが、建売物件は中古になると人気がなくなるみたいです。
誰でも住めるようにデザインされているため、個性がなく埋もれてしまうんだとか。
文章と同じように、不特定多数の人間に作られたものは、誰の心にも刺さらないということでしょうか。
都心の人気のある土地であれば買い手がつくこともあるそうですが、田舎で建売物件は結構絶望的みたいです。
家を買うなら多少お金がかかっても、デザイナーに設計をお願いするべきだと思います。
結局、家を売るのは断念しました
ということで、結局家を売るのはやめました。
まあ、半年住んでみて居心地も良かったので、引き続き私が住み続けることになりました。
祖母も他人の手に家が渡るよりも、私が住み続けた方が喜ぶだろうと思います。
家賃も浮くことになったので、結果的にはラッキーという感じです。(固定資産税なんて知らない!)
ただ家に価値がつかなかったのは少なからずショックでした。
祖父と祖母が汗水たらして働いてようやく手に入れたマイホームが、たった30年で価値のないものになってしまうなんて…。
自分にとって大切な家でも、他人から見れば星の数ほどある物件の一つに過ぎないのだと痛感しました。
あと不動産会社の人と話して分かったのは、売り手と買い手では立場が大きく違うということ。
売り手側からすると、どうしても売りたい不動産が売れなかった場合、選択肢は値下げしかありません。
しかし買い手側は、めぼしい建物が見つからなければ、買わなければいい話なんです。
今の時代、賃貸で一生を終える家庭も当たり前ですからね。
基本的に不動産の売買は、買い手が圧倒的に有利な市場だと身をもって知りました。
大金を払って買いたいと思わせる魅力がなければ、家は売れないんだなと勉強になりました。
これから家を買うときには自分の好みだけでなく、将来買い手がつくかどうかも検討して決めるべきだと思います。
あと売り出し中の不動産情報を見ていると、掘り出し物の優良物件がゴロゴロ転がっているので、お金に余裕がある人は普段から覗いておくといいですよ。
少しでも家を売れやすくするには?
どうしても売りたい家があるなら、外壁塗装工事を行うことも大切です。
外壁塗装は外観を綺麗にするだけでなく、建物自体の耐久性を回復させることができ、築年数の経った家も新築同様に回復させることができます。
また現在の家に住み続けるにしても、外壁塗装工事を行わなければ、水漏れやシロアリなどの被害に遭いやすくなってしまいます。
外壁塗装のいろはについては、こちらの姉妹サイトで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。