マンションを売るとき、もしくは買うときには、埃1つ見逃さない覚悟で物件をチェックしなければいけません。
欠点が1つ見つかるたびに、不動産の価値は100万円単位で下がっていきます。逆に買うときであれば100万円値下げすることができます。
いや、本当にお金が絡むと人は怖いんですよ。
僕が初めてマンションを売ったときには、仲介の不動産会社を通して、連日値下げ交渉の電話がかかってきました。
あんな面倒に巻き込まれるなら、50万ぐらい払ってでも改修しておくべきだったと、今も反省しています。
マンションを売るときには少しでも欠点を改善しておく、買うときには一つでも多く欠点を見つけて価格交渉を有利にしなければ、喰いものにされて終わりなんです。
(改善できない欠点でも、事前に通知しておくことで、買い手からの値下げ提案を未然に防ぐことができます)
そこで今回は不動産会社に勤める友人から教えてもらった、96のチェックリストを公開しようと思います。
売りたいマンションがある人、これから購入予定のマンションの内覧に行く人の、少しでも役に立てればと思います。
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目次
マンションを売るときに見るべき96のチェックリスト
立地に関するチェックポイント(全16個)
- 勤務先への通勤は楽か(駅距離、道中の状態など)
- 子どもが通う予定の学校へのアクセスは良いか
- 病院が近くにあるか(ペットがいるなら動物病院も)
- 銀行が近くにあるか(都市銀行・もしくはゆうちょ)
- スーパー・コンビニが近くにあるか(総菜コーナーが充実しているか)
- 騒音や異臭の原因になりそうなものが近くにあるか(ゴミ屋敷の隣は論外)
- バス停は近くにあるか(一日の本数もチェック)
- 栄えている都市から近いか(アクセス方法もチェック)
- 周辺地域の治安は荒れていないか(近くの高校の偏差値をチェック)
- 周辺に公園や緑があるか
- 図書館やジムなど文化施設が近くにあるか
- 徒歩10分圏内に駅があるか(車がない人は最重要)
- 快速や特急は止まるか
- 終電が遅くまであるか
- 将来的な道路計画を確認できるか
- 向かいの道路が特定緊急輸送道路ではないか(騒音注意)
管理面に関するチェックポイント(全14個)
- 外壁に傷・汚れがないか
- バルコニーに傷・汚れがないか
- 廊下に傷・汚れがないか
- 屋上に水漏れ対策が練られているか
- エントランスや階段は綺麗に保たれているか
- 駐輪場、駐車場、ゴミ置き場は綺麗に保たれているか
- 共有部分が綺麗に保たれているか
- 昼と夜で大きな変化がないか
- エレベーターは綺麗に保たれているか
- 避難経路・消化器は確保されているか
- 集合ポストが荒れていないか(チラシの投げ込みが多くないか)
- 管理人はどれくらいの頻度で来るのか
- 共有施設は使われているか・綺麗に保たれているか
- 掲示板は使われているか・綺麗に保たれているか
部屋の中身に関するチェックポイント(全22個)
- 各部屋に傷・汚れがないか、広さは十分か
- 用途が限られた部屋がないか
- 家事をする際邪魔になる部屋の配置ではないか
- テレビやソファなど自由に配置できるか(テレビ線の位置など)
- キッチンに冷蔵庫や食洗器など設置できるか
- トイレに収納スペースがあるか、換気は十分か
- バスルームの換気は十分か
- クローゼットの数・量・位置は十分か
- 日当たりのいい部屋があるか
- 家中の窓を開けたときの風通しはいいか
- 展望がいい部屋はあるか
- 天井の高さは2.3m以上あるか
- 歩いた際に下の階に足音が響かないか
- 床が綺麗に保たれているか
- 壁が綺麗に保たれているか
- 壁の厚さは15cm以上か
- 隣、下の階からの騒音はないか
- 窓やドアをスムーズに開け閉めできるか、施錠できるか
- バルコニーは十分な広さか、室外機を追加できるか
- 部屋の外から騒音が聞こえないか(車の音はうるさくないか)
- 隣家の窓から室内が見えないか(カーテンを開けられなくなる)
- 洗濯機パン(置き場)は設置されているか
不動産会社に関するチェックポイント(全6個)
- 会社の規模・営業実績を知ることができるか
- あなたの要望を真摯に聞いてくれるか
- あなたの質問の答えをはぐらかしていないか
- 長所だけでなく短所も教えてくれるか
- 住宅ローンの相談にも乗ってくれるか
- ネットで評判・口コミを調べたか
マンションの設備に関するチェックポイント(全23個)
- 40アンペア以上で契約できるか
- マンション設計時の書類は保管されているか
- 無料駐車場はあるか(無い場合、隣接の駐車場はいくらで使えるか)
- 電話回線・ネット回線の数は十分か
- エアコンは備え付けられているか(機能は十分か)
- コンセントの配置は十分か
- インターフォン、モニターは機能するか
- トイレ、キッチンなどの水回りは綺麗に保たれているか
- 換気扇の音はうるさくないか
- どの程度のリフォームなら自由にできるか
- ペットを飼ってもいいか(将来欲しくなるかも)
- 事務所や店舗として利用することもできるか
- 修繕積立金はどれくらいあるか
- 将来に備えて長期修繕計画はあるか
- 大規模の場合、住民総会は開かれているか
- 過去の修繕履歴を確認したか
- 管理会社の管理形態を確認したか
- 業者の清掃業務の内容を確認したか
- 部屋の間取りを変更できるか
- 水回りの位置を変更できるか
- カーペットからフローリングなど変更可能か
- 新しい耐震制度で建築されているか
- ピロティ形式の物件は耐震強度を確認したか
セキュリティ面のチェックポイント(全15回)
- 管理人室からエレベーターや集合ポストが見えるか
- 共用玄関に防犯カメラは設置されているか
- メールボックスに防犯カメラは設置されているか
- ドアにチェーンや二重鍵は設置されているか
- 鍵を取り換えることができるか
- ドアに覗き穴やモニターがあるか
- バルコニーから侵入されることはないか
- 侵入できそうな窓に格子などついているか
- 駐輪場や駐車場の見晴らしはいいか
- 建物全体の証明は十分か
- ゴミ置き場に防犯カメラは設置されているか
- マンション内にある公園などの施設に防犯カメラが設置されているか
- 部外者が入りにくい仕組みになっているか
- メールボックスから侵入されないようになっているか(ピッキングも注意)
- エレベーターに防犯カメラは設置されているか
マンションの立地について
マンションを買うときには、部屋だけでなく必ず周辺の状況を確認しておきましょう。
出来れば実際に自分の足で歩いてみて、日常生活をシミュレーションしておいて欲しいです。
最低でも最寄りの駅からマンションまで歩いてみて、仕事からの帰り道に買い物を済ませることができるか、途中にコンビニがあるかなどチェックしてください。
駅から徒歩5分でも、途中に買い物できるスーパー・コンビニがなければ相当不便ですよ。
ただ立地については何をいっても改善しようがないので、どうしても譲れないなら他のマンションを探した方が早いです。
またマンションを売ろうと考えている方は、立地は必ず突っ込まれるポイント&どうしようもないところなので、安易に値下げに応じないようにしましょう。
そんなに気に入らないなら買わなきゃいいじゃん、ぐらいのスタンスで大丈夫です。
マンションの管理状況について
マンションの価値は部屋の状況だけで決まるものではありません。
どんな人たちが住んでいるのか、そしてどのように管理されているかによって、不動産としての価値は大きく左右されます。
そのため共有スペースがどのように使われているかは、入念にチェックしておきましょう。
共有スペースが廃れていれば、その分生活レベルの低い住人が集まっている可能性が高いです。
そして生活レベルの低い住人は家賃を支払えなくなるリスクが高く、維持費・管理費が足りなくなる可能性も高くなります。
そうなると、さらにマンションは荒廃していき、急速に価値を失っていきます。
共有スペースが荒れているマンションは黄色信号なので、購入するのは危険です。
またマンションを売るときには、共有スペースを綺麗にして、壊れている部分は管理人に頼んで修繕してもらいましょう。
それだけで成約率はかなり変わってくると思います。
部屋の中でチェックするポイント
内覧に行ったとして、部屋の中にいられるのは長くても1時間程度です。
マンション1部屋を1時間でチェックするというのは、プロでもなかなか難しく、素人なら絶対にチェックリストを用意しておくべきです。
一番見て欲しいのは、購入したあとに柔軟に生活様式を変えられるかという点。
10年暮らしていると、住んでいる人間の生活スタイルは大きく変わります。
そのため多様な用途に使える部屋はいくつあるのか、使いづらい部屋はないか、想像力を働かせてチェックしておきましょう。
売る側としては家具の配置やインテリアを工夫して、素敵なライフスタイルを演出しておきましょう。
もちろん水回りを綺麗にしておくのは、基本中の基本なので忘れずに。
(自力で汚れが取れないなら、躊躇せずに業者を呼びましょう)
信頼できる不動産会社か見極めるポイント
不動産の売買は不動産会社の力量が影響するところが多いです。
極端な話、有能な担当者がついてくれれば、良い物件を安く買えるし、高く売ることもできます。
僕がマンションを売ったときは、最初に頼んだ業者では3カ月待っても内覧希望さえなかったのに、仲介会社を変えたとたん、1カ月に4件の内覧希望が集まりました。
そこで不動産会社に相談をする時点で、信頼できる不動産会社かどうか篩にかけておきましょう。
私は最近何かで業者を選ぶときには、事前に質問シートを作っておいて、一番信頼できる返答をしてくれた業者を選ぶようにしています。
設備面の確認も忘れずに!
内観や外観ばかりに気を取られて、設備面のチェックを疎かにする人も多いので注意してください。
不動産を購入したあとに、最も不満が出やすいのは設備面での問題なんです。
実際に住んでみなければ見え辛い部分なので、購入前にチェックしておきましょう。
生活に支障が出るレベルでの欠陥であれば、売主側に賠償責任があるので、売ったあとでも修理代を払わなくてはいけません。
ばれなかったらいいと隠し続けていると、いつか痛い目に合いますよ。
中古マンションの購入では耐震強度に注意
1981年6月1日以前に建築の許可が下りた物件は、旧耐震基準で建てられているので注意しましょう。
旧耐震=危険、というわけではないですが、資産としての価値はかなり下がってしまいます。
マンションによってセキュリティ対策は雲泥の差が出ます
マンションによってセキュリティへの意識は全然違います。
同じ家賃でも防犯カメラが完備されているところもあれば、誰でも中身をのぞけるメールボックスを放置している物件もあります。
ここらへんはオーナーと管理人の価値観による影響が大きいです。
大切な家族と一緒に暮らす部屋を探している方は、セキュリティ面も忘れずにチェックしておきましょう。
マンション売買は弱みを見せたら終わりです
もちろんみんながみんな、クレーマーのようにケチをつけてくるわけではありません。
しかし数千万円の金が動くとなれば、(当然のことですが)みんな後悔したくないので交渉にも力は入ります
(経験上、居住用のマンションを探している人よりも、投資目的で買おうとしている人の方がうるさかったです)
ということで、今後マンションを買う、売ることを考えている方、今回のチェックリストをぜひご活用ください。
そして120%満足のいく売買契約を成立させることを祈っています。