名前 | パンダ★さん |
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年齢 | 40代 |
職業 | 会社員 |
お住まい | – |
こんにちは。パンダ★(仮名)と申します。
私が今回お話ししようと思ったのは、私の高校時代からの親友についてです。
彼女は最近離婚をし、もう中学生の一人息子と一緒にウチの近所のマンションで暮らしています。
離婚した直後は彼女も大変落ち込んでいたので、よくマイホームに招待してランチをしたり、子ども同士を連れてピクニックに行ったりもしました。
私の励ましが功を奏したのか、彼女も元気になり、少しずつ離婚時の状況を話してくれるようになりました。
私も懸命に聞き手に回って、話を聞いていたのですが、何度聞いても彼女の言い分が理解できないのです。
そこで、不動産の査定について詳しい人々が、この話を聞いたらどう思うのかと考え、名前を伏せて投稿させていただいた次第です。
※ここからは、夫と離婚した高校時代からの友人のことは、A子と書かせていただきます。
※本ページにはPRが含まれます。
目次
私はA子と夫との離婚に最初は賛成していました
最初にA子の名誉のために言っておきますが、私がA子から離婚の知らせを受けたとき、私は正直「あぁ、良かった」と思いました。
旧友の不幸を喜んでいたわけではありません。A子の元夫は、覇気がないというか、「お金を稼いで妻子を養う」という気持ちを持っていないように思ったからです。
彼は結婚後も職を転々としているのですが、その理由というのも「つらいから」「家にいたいから」という、煮え切らない理由ばかりなのです。
A子の両親は共働きだったので、小さい頃は祖父に面倒を見てもらっていたと言います。「自分の子供に同じ思いをさせたくない」という気持ちが強かった彼女は、ロクに働きもしない夫(なんと、かつての職場の元部下!)を支えるために専業主婦となったのでした。
もともとA子は職場でバリバリ評価されていたキャリアウーマンなだけに、「離婚後は再就職して、評価されて元夫を見返してやれ!」と思っていました。
離婚の引き金はA子の最愛の祖父が亡くなったことでした
A子がまだ夫と一緒に暮らしていたある日、A子の祖父が亡くなりました。
幼いころは親代わりだった祖父。いや、A子にとっては親以上に大切な存在だったかもしれません。
彼女は長い間ふさぎ込んだ様子でしたが、A子の祖父は可愛い孫のために大切なプレゼントを用意していました。
それは、田舎の広大な土地と屋敷です。もともと地元の名家だったA子の祖父は、開発によって土地がどんどん国に活用されていく中、どうにかしてA子のために土地を残していたのでした。
ただ、まさか相続した土地が、離婚の大きな引き金になるなんて、A子の祖父は想像もしていなかったでしょう。
相続した物件を勝手に査定に出そうとする夫にA子は…
祖父から物件を相続したA子でしたが、大切なプレゼントと考え、そのままにしておきました。
しかし、相続をしてから少し経ったある休日、A子はたまたま、作動しっぱなしの夫のパソコンを見てしまいます。
そこには、不動産の査定サイトに、祖父から相続した物件の住所が記入されているところが表示されていました。
A子は大変ショックを受けてしまいます。おじいちゃんが必死に残した物件を、ちゃんと働こうともしないくせに生活の足しにしようとした…。そう考えたのでしょう。
激怒するA子に向けて、夫は信じられないような言葉を浴びせたといいます。
相続物件を古い家呼ばわりする夫!こうしてA子は離婚を決意しました
夫はA子に向かって、こう言いました。
「こんな古い家、持っているだけ損だろう?税金だって持ってるだけでかかっちゃうし。早くお金に換えちゃったほうがいいんじゃないかなー?って思って、査定をお願いしようとしたんだよ」
A子からすれば、相続した物件はただの不動産とはいえない大切なもの。それを勝手に売ろうとするなんて信じられない!という気持ちだったのでしょう。
その日から口を利かなくなったA子。もちろん、勝手に不動産会社に査定を依頼したからって即離婚!というわけではないですが、ここから長い別居期間があったことを考えると、非常に大きなきっかけであったのは間違いないようです。
私はA子の言い分に疑問を持ち始めました
最初はふさぎこんでいたA子が正直に、ここまで書いたような経緯を説明してくれたときは嬉しかったですし、A子に同情もしました。
しかし、今この話を思い返してみると、どうも夫の言い分のほうが正しく思えてきて仕方がないのです。
両者の言い分をまとめてみます。
A子 | A子の元夫 | |
---|---|---|
相続物件は売るべき? | 売るべきではない | 売るべき |
その理由 | 祖父が残してくれた物件だから | 税金がかかるし、使い道がないから |
今後どうするのか | そのままにし続ける | お金に換えて活用する |
こうしてみると、夫の言い分のほうが現実的だし、的を得ているようにも感じます。
実際に不動産会社に相談にいけば、夫の言ったようなアドバイスが返ってくることでしょう。
どちらの言い分が正しいのか気になった私は、相続した不動産の売却について調べてみることにしました。
私が気になった相続物件売却のポイントと調査結果
私がA子の話を聞いて気になった点は、以下の通りです。
- そもそも、名義人以外が不動産を売却することはできる?
- 相続物件をそのままにすると税金はどれくらいかかる?
- 相続物件をそのまま持ち続けることは可能?
いままで不動産というものにふれたことがなく、基礎的な知識も持っていなかった私ですが、どうしても以上の点が気になりました。
基本的にはインターネットに掲載されているコラムなどを参考にして調査をし、それでもわからないところは不動産会社に相談しにいくようにしました。
なぜそこまでやったのかと言われると上手くは説明できませんが、A子のためと思っていたのは確かです。
名義人以外が物件を売却するのは基本的に不可能
もし、A子の夫がA子に黙って物件を売却することは可能だったのでしょうか。
結論から言うと、それは不可能のようです。
基本的に、不動産売却をする方は、その物件の所有者ではありますが、それ以外の方が手続きをしても法的に違反というわけではありません。
ただ、所有権の移転をするためには所有者の許可が必要なので、もしA子の夫が「この物件売ります」といって誰かと契約まで進んでも、最終的に引き渡しはできず、「看板に偽りあり」ということで、A子の夫は購入希望者へ賠償をしなければなりません。
やはり、A子が夫に物件を売られると考えたのは、ただのはやとちりだったようです。
物件を相続した場合の税金は主に3種類
相続した物件を所持することでかかる税金は以下の通りです。
- 登録免許税
- 固定資産税
- 相続税
まず、登録免許税というのは、相続登記時に固定資産評価額の0.4%がかかるというもので、基本的に一回きりの支払いのものです。
次の固定資産税は、不動産などの固定資産の所有者は毎年支払い義務のある税金です。土地の上に物件がたっていると税金を6分の1に抑えられますが、A子が相続した物件は築年数がかなり古かったので、近隣の安全も考えて立て壊す必要があったかもしれません。
最後の相続税は、相続した人に対し、受け渡された遺産の価値に応じて課される税金のことです。
こうした3つの税金を考えると、稼ぎの少ないA子の夫では維持しきれないのは明らかでしょう。
古い物件をそのままにしておいても基本的にはOK
最後に、古い物件をそのままにしておいても良いのかという話ですが、これは特に問題はないようです。
今にも倒壊しそうという状態であれば、さすがに立て壊しの必要があるかもしれませんが、近年は解体費用も高くなっているので、新居の購入と同時におこなうのが主流のようです。
ただ、古い家をそのまま残していくメリットというのは、A子以外にはわからないことでしょう。
結果的には元夫の言い分が正しかったが…
調査を進めていくと、どうも元夫の言い分のほうが正しい気がしてきました。
ただ、A子の物件に対する強い愛着を理解しなかった夫ももちろん悪いのでしょう。
A子からすれば、夫が物件を査定に出す。つまり金銭的な価値を見積もること自体が不愉快極まりなかったということなんだと思います。
彼女の生い立ちを考えると理解できる部分もあります。ただ、どちらの言い分が正しいかというよりも、相続物件を通して、決定的な価値観の違いが明らかになってしまったことこそが、離婚の大きな原因だったのかもしれませんね。
利益と愛着はどちらを優先すべき?
A子の離婚は、実際にはさまざまなことが積もり積もった結果なんだろうと思います。
ただ、家に対してあまりに愛着を持ちすぎる人間と、利益を求める人間。どちらが正しいなんて、決めることはできないとは思いませんか?
不動産の知識が私よりある皆様は、この話を聞いて、A子と元夫、どちらが正しいと思いますか?そして、どのように考えましたか?