築34年の家は査定前にリフォームすべき?不動産屋嫌いの私が調査してみた

名前 ポン子さん
年齢 30代
職業 公務員
お住まい 神奈川県

女子大卒業後に地元で公務員をしている私ですが、就職のタイミングで母方の祖父母の介護のために両親は2人の住む九州へ引っ越し。

今は2階建てのマイホームに私一人で暮らしています。

「広いおうちに一人暮らしなんてお姫様みたーい☆」という、度々くる後輩(既婚)のヨイショにブチ切れそうになりながら10年近く耐えて住んでいた独身アラサーの私ですが、ある日突然思いついてしまったのです。

「そうだ。この家売ろう。」

きっかけは、一戸建てを売ると平均で数千万円になるというネットのコラムを見たことがきっかけです。

もともと、広い家を活用しきれてはいなかったですし、逆に不便さを感じてもいました。公務員はいくら安定しているとはいえ、貯金は多いほど安心ですしね!

事情を電話で両親に話したところ、意外とあっさりOKをもらいました。

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家を売却したい!でも築年数が…

「臨時収入が数千万円も入るなんて最高じゃん!」

すっかり家を売る気になって、代金をもらったら、どんな買い物をしようかルンルン気分の私ですが、大切なことをすっかり忘れていました。

それは、家が築34年の古い物件だということです。

ところどころ壁紙が剥げていたり、フローリングにキズが付いていたり、ひいき目に見ても「古い家だなー」と購入希望者に思われるのは明らかでした。

かくなる上は、貯金を切り崩してリフォームをしよう。数十万負担して百万円以上家の価格が上がるなら、トータルでお得だし。

このときはそう考えてました。

リフォームは必要?不要?どっち?

ところが、ネットで調べてみると、意外や意外。「実は中古の物件を売却する時にリフォームは必要ないんですよ」と出てくるではないですか!!

「でも、古くなっているのは事実だし、このまま売り出しても何も買ってくれないのでは?」

そう考えて、更にパニックになってしまいました。

こうなったら、実際に不動産会社に相談しにいくしかない。そう考えて、私は築34年の家で一人、重い腰をあげたのでした。

嫌いだった不動産屋…実際に行ってみてカルチャーショック!

余談ですが、私は親戚に不動産屋さんがいて、両親は土地の相続などを一任していました。

私は子どもながらにそのおじさんが嫌いでした(笑)

あの土地は安い、買い時だ、などまくし立てる様子を見て、「お金に汚い人だなー」と思っていましたし、不動産屋って何となく閉鎖的なイメージがして好きになれなかったんですよね。

小学校の通学路には別の老舗の不動産屋さんもあったのですが、おじさんがいつも電話を片手に怒鳴っているところを見ていて、怖いなーと思っていたのも理由かもしれません。

一括査定サイトを人生で初めて使ってみた

なので、とにかく親戚のおじさんには売却を依頼するのは避けようと思いました。

相談しにいったところで、「ポン子ちゃんはいつ結婚するのかなあ?」なんて言われるのが関の山ですし。

なので、私は初めて一括査定サイトなるものを使っていました。

これは簡単な物件情報と私の連絡先を入力するだけで、最寄りの店舗が査定をしてくれる便利なサービスです。

「近場にこんなに不動産屋ってあるんだなー」と感心しながら、一番査定額が高かったところに休日行ってみることにしました。

カルチャーショック!そこはおしゃれすぎる不動産屋だった

電車に乗ってたどり着いたその店舗は、私が持っていた不動産屋のイメージとはかけ離れたおしゃれな木造づくり。

真っ白なチェアーに腰掛けながら「こんなにおしゃれで大丈夫なのか?」と逆に心配になっていました。

出てきた担当者もきれいな女性の方。すでに査定サイトで送った資料を持っていました。

「地域の人が集えるカフェをコンセプトにしてるんですよ」とおっしゃったお姉さん。

妙に感心しながら、リフォームの有無について聞いてみることにしました。

「人による」って結局どういうこと?

「あー、それは営業マンの考えによるので何とも言えないですねー」

曖昧な答えに若干腹をたてつつ、話を聞いてみると、

「もちろん、リフォームをすればきれいに見えますし価値も上がるのでおすすめする会社もあります。ただ、築34年の物件であれば購入希望者もリフォームを前提に考えているので、事前にやっておく必要はないと思います。」

そういうものかと思いつつ、それでも壁紙が剥げてたりするんですよと正直に言うと、「一度、詳しく調査してみましょうか?」と返されました。

訪問査定の結果リフォーム不要という結論に

それから一週間後くらいでしょうか。不動産屋さんが家に来て、内部、外部のチェックをしっかりやってもらいました。

「確かに古くなっているところもありますが、骨組み・地盤ともにしっかりしてますし、そのままで売り出しましょう。」

担当者の言葉を聞いて安心しましたが、まだちょっと不安ではありました。

こうして、私はその「おしゃれすぎる不動産屋さん」と媒介契約を結ぶことになりました。

リフォーム不要って言ったのに!最初の購入希望者に断られてしまう

売り出しをしてから3週間くらいたったころでしょうか。初めて内見を希望する方があらわれました。

「ここで決まればいいなー」と思いながら、当日は大掃除をして希望者を迎えました。

やってきたのは気の良さそうなおじさんで少し安心しましたが、担当者に連れられて10分ほど中を見て一言私に向かって言いました。

「やっぱり、ちょっと古いですねえ。」

そうですよねー。ハハハ…。苦笑いをするしかなかった私ですが、結局契約はナシになりました。

話が違うじゃないか!怒る私に担当者が提示した3つの選択肢

この時、私は単純に騙されたと思いました。そのままで売れると言われたのに、結局古いと断られてしまった。よく考えると、おしゃれな店の不動産屋なんて信用できない。

あまり関係ないことにまで頭を巡らせていると、担当者は「申し訳ありません。この家は強気の価格設定で売り出しているので、価格と中身のギャップで離れてしまわれたようです。」と言いました。

いまいち納得できない私ですが、ここで担当者に3つの選択肢を提示されました。

  1. そのままの価格でリフォームせずに売る(利益は見込めるが、成約まで時間がかかるかも。)
  2. 価格を下げる(強気の売り出しをやめて、築34年に見合った価格設定にする)
  3. 買い手にリフォーム代を負担させるが、その分だけ価格を下げる

腹が立っていた私は、意地になって最初に選んだ1番でこのままいくと回答しました。

やっぱり家が売れない…落ち込む私はハウスクリーニングをすることにした

意地になって、そのままの価格で売り出したは良いものの、やはり、なかなか売れません。

内見の希望者もだんだん減っていく現状に焦りを覚えはじめました。

私は担当者と一緒にどうするべきか話し合うことにしました。話題に上がったのは、最初の内見希望者の行動です。

私は剥げた壁にいつ気付かれるかヒヤヒヤしていましたが、意外にそこは見向きもせず、トイレや洗面所、お風呂といった水回りばかり注目していたことを思い出しました。

「中古物件を買う人が気にしがちなのが、前の居住者が残した”生活感”です。前の人が住んでいた跡が残っていると、ここは自分の家だ!と心から思えないですよね。もし費用のめどがつくならば、水回り中心にハウスクリーニングをしましょう!」

饒舌に話す担当者を見て、早くそれを言えよと思ったのも事実ですが、藁にもすがる思いで、私はハウスクリーニングを依頼することにしました。

衝撃!ハウスクリーニングで築34年の家が新築同様に

ハウスクリーニングは、水回りのみなら10万円程度というものが多かったです。

壁紙の張替えも検討しましたが、担当者によると「壁紙は買い手の好みもあるので、任せてしまったほうが良いですよ」と言われ、手を加えないことにしました。

クリーニング業者の方が家に来てから、作業は半日もかからず終わりましたが、完成した姿を見てびっくり!

水回りが新品同様に輝いていたのです!

「これだけ綺麗になったんですから、ドシドシ宣伝していきましょう!」

テンションが上がった担当者が水回りの写真をパシャパシャ撮っていました。

ハウスクリーニングをしたら内見希望者が再び増え始めた!

水回りの写真をポータルサイトの掲載情報に追加したところ、再び内見希望者が増え始めました。

中には「水回りが綺麗で興味を持った」という方もいましたが、「第一印象で何となくいいなあと思ってきた」という方の方が多かったです。

ただ、ハウスクリーニング前は内見希望者はほとんどいなかったので、間違いなく効果があったようです。

担当者に聞いてみると、「確かに水回りがピカピカだと、無意識に家もきれいに見える傾向があるみたいですね。」と言っていました。

ハウスクリーニングのおかげでリフォーム代負担なしで家が売却できた!

そうこうするうちに、同世代くらいの夫婦が内見に訪れ、購入してもらえることになりました。

担当者が言った通り、ご夫婦には好みのデザインがあるので壁紙の負担などは良いとのことでした。

最終的に築34年の古い家を2,000万円近い値で売却することができました!

紆余曲折ありましたが、売り出しから3ヶ月での成約だったので、十分早い方じゃないでしょうか?

築34年の家を売却してわかったこと

実際の経験を通して、私は以下の点に気付きました。

  • 不動産売却は運・タイミング・相性が大きくかかわる。時には我慢も大切
  • リフォームは基本的に不要。相手の好みも考えて対応すべし
  • ハウスクリーニングは非常に効果的。費用に余裕があるなら特に古家はやったほうがいい
  • 担当者の言葉を鵜呑みにしても聞かな過ぎてもダメ!パートナーとして協力する

最後は私の反省も含めて挙げさせていただきましたが(笑)、「あなた不動産の専門家ですよね!!!」といったキレ方はNGだと思います。

家を売り出す以上は商品なので、そのタイミングで興味を持つ人の趣味嗜好などが、場合によっては不動産の知識よりも重要になってきます。

裏を返せば、「購入希望者にいかに気に入ってもらうか?」が最重要で、その延長線上にリフォームやハウスクリーニングがあるのだと思います。

これから不動産を売却するという方は、「自分が購入する側だったら、どういう状態で家を渡されると嬉しいか」を考えて行動すると良いでしょう!

皆さんの健闘をお祈りしています!