家を売却する際には、現時点で住宅ローンの残高がどれくらい残っているかが重要です。
もし住宅ローン残高が売却価格を上回っている状態(オーバーローン)であれば、家を売ったとしても借金しか残らないからです。
しかし中には、借金が残ってもいいから家を売却したいという方もいるでしょう。
そこで今回はオーバーローン状態で家を売る方法や、借金が残っても家を売った方がいい人の条件など解説していきます。
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目次
オーバーローンとは?
オーバーローンとは住宅ローン残高が、売却価格を上回っている状態を指します。
たとえば住宅ローンが2000万円残っているにも関わらず、1500万円でしか売れない状態はオーバーローンです。
自己資金が低い状態で家を購入したり、価値が下がりやすい家を購入したりすると、オーバーローンになりやすくなります。
オーバーローンの状態では、家を売ったとしても借金が残るだけなので、基本的に売却はおすすめしません。
また住宅ローンが残っている状態では、家に抵当権が残っているので、通常通りに家を売却するのは難しいと考えた方がいいでしょう。
住宅ローンが残っていると家を売れない?
住宅ローンが残っている状態では家に銀行からの抵当権がついています。
家を売ったお金でローンを完済できるのであれば、売却時に銀行が抵当権を抹消してくれるので、何の問題もなく家を売却することができます。
しかし売却後もローン残高が残ってしまうのであれば、銀行が認めない限り、抵当権を抹消することができません。
そのため基本的にはオーバーローンでは家を売却することできないのです。
オーバーローンでも家を売れるケース
- 新居への住み替え
- 任意売却
- 競売
オーバーローンでも家を売れるケースは上記の3パターンです。
住宅ローンの返済が滞ってしまった場合、任意売却か競売しか選択肢はないのでご注意ください。
住み替えローンはオーバーローンでも可能
住み替えローンとは、現在残っている住宅ローンを、新居購入時の住宅ローンと合算する方法です。
住み替えローンの場合、銀行側としても損はないので、現在住んでいる家の抵当権を抹消して売却することができます。
家の価値が落ちてしまい、オーバーローン状態になってしまったけど、家を売りたい!という方は住み替えローンを利用するといいでしょう。
しかし住宅ローンの返済を延滞したことがある方や、収入的にこれ以上融資が難しいという方は、住み替えローンを利用できないので、まずは借入先の銀行へ相談してみるといいでしょう。
任意売却とは?
任意売却とは住宅ローンの返済が難しくなったときに、家を売って住宅ローンの返済に充てる方法です。
通常、住宅ローンが残っている場合、抵当権が外れないため家を売ることはできません。
しかし住宅ローンの返済ができない状態では、家を売って返済に充てた方が銀行としても有益です。
そこで不動産会社が仲介に入り、両者が納得する形で売却を進めていくのが任意売却です。
競売にかけるよりも、家を高く売ることができるので、債務者にとっても銀行にとっても任意売却の方が助かるケースが多いです。
競売とは?
競売とは住宅ローンの返済が滞った際、抵当権をもった銀行が裁判所に申し立て、家を売却するものです。
競売が始まれば裁判所から家を差し押さえられてしまうので、これまで通りの生活は送れなくなってしまいます。
また競売の場合、通所通りに家を売却するよりも、2割~4割程度売却価格は安くなってしまいます。
そのため競売にかけられる前に、銀行と不動産会社に相談をして、任意売却手続きを進めることをおすすめします。
住宅ローンの返済が苦しくなったら任意売却をすべき?
住宅ローンの返済が苦しくなった方は、任意売却を検討するようにしましょう。
もし返済が滞り競売にかけられてしまうと、市場価格よりも安く売られてしまうため、売却後に残る借金も多くなってしまいます。
また競売にかけられると強制的に家が差し押さえられてしまい、連日業者が家に立ち入るようになるので、周辺住民にも競売にかけられたことはすぐにばれてしまいます。
そのため住宅ローンの返済が苦しくなった方は、オーバーローン状態であっても、任意売却を考えてみるといいでしょう。
住宅ローンの返済を待ってもらうことはできない?
1日ぐらい住宅ローンの返済が遅れたからといって、すぐ競馬にかけられることはありません。
しかし一回でも返済を滞納してしまうと、銀行からマークされることになり、その後の融資に悪影響を及ぼすのでご注意ください。
本格的に取り立てが始まるのは、滞納して1カ月を過ぎたあたりからです。
郵送や電話にて銀行から支払請求の連絡が届くので、早めにお金を工面しなければなりません。
滞納期間が2カ月を超えてくると、支払い請求書か督促状に内容が変わり、期日までに返済しなければ競売にかけるといった内容の書類が届くようになります。
それでも無視して滞納を続けた場合、まずはローン残高の一括返済請求が行われ、代金が支払われなければ、競売にかけられることになります。
競売にかけられて実際に家を立ち退くまでは、半年程度猶予はありますが、実際には競売中に家に住み続けることは難しいです。
不動産会社などが自由に立ち入りするようになるので、家を出るしかないと思った方がいいでしょう。
オーバーローン状態で離婚したらどうなるの?
オーバーローン状態で離婚した場合、家を売る必要はありません。
財産であれば離婚すれば均等に分与しなければならないですが、オーバーローン状態では財産として認められないので、負債として名義人がそのまま所有することになります。
もし夫婦で保証人になっているのであれば、離婚時に保証人から抜けることも可能です。
もちろん残ったローンは名義人がそのまま払い続けることになるのでご注意ください。