「現状渡し」とは、不動産用語で”現状のまま物件を引き渡す”ことです。
マンションのフローリングにキズがついていたり、給湯器や換気扇が壊れていたりしてもそのまま買い手に引き渡すということで、中古物件の売買としては一般的なものです。
マンションを現状渡しすることは、修理・リフォームをしてから売却をする方法に比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
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目次
マンションの現状引き渡しとは現状のままカギを渡すこと
勘違いされる方が多いですが、不動産売買における引き渡しとは、入金後に売り手が買い手にカギを渡すことです。
このときに現状そのままのマンションを引き渡せば、「現状引き渡し」となります。
現状の他に「原状」という言葉も不動産にはありますが、こちらは元の状態という意味です。
賃貸では、引っ越しなどで貸主に部屋を返すとき、最初の状態に戻しておく義務があります。これを「原状回復」と呼びます。
似たような言葉、はじめて聞く言葉が不動産用語には多いと思うので、しっかり違いを把握しておきましょう!
マンションを現状引き渡しできるかは業者に判断してもらうのがベスト
マンションを売却する場合、まずは不動産業者から査定を受けます。
このときに、まずは物件の問題点を担当者に共有しておきましょう。
不動産会社は物件の築年数や構造などに着目しがちで、「床がギシギシ鳴る」「物置の扉の締まりがゆるい」というような生活する上で気になる問題点までは把握しきれません。
査定前に問題点をチェックして共有しておいたほうが、より的確に価格を算出してくれますよ!
一括査定サービスであれば、必ず自由記入欄があるので、ここに問題点を書き込んでおくのがおすすめです。
※一括査定サービスの選び方に関しては、こちらにまとめてあります!
そのまま渡すか修理して渡すか決めるには訪問査定がおすすめ
一括査定サービスには、簡易査定(机上査定)と訪問査定を選ぶタイプのものが多いです。
現状のままマンションを引き渡したいなら、訪問査定がおすすめです。
簡易査定は主に物件に関する書類や周辺の相場・取引事例を使って査定額を算出するので、内部の状態までは把握しきれません。
現状のまま売り出すか、直してから売り出すか判断するには、まず「現状引き渡しの場合の査定額を出してください」と依頼してみましょう。
このときの値段が納得いくものであれば、直さず売り出して良いでしょう。一方、査定額が低すぎるのであれば、値引き額よりも修理費のほうが安く済むかもしれません。
このように、どちらがお得か判断するためにはまず訪問査定を受けてからシミュレーションするのがおすすめですよ!
現状引き渡しは余計なコスト・時間がかからないのがメリット!
現状のまま引き渡すわけですから、修理費を節約できて準備時間も短縮できるのが大きなメリットです。
特にマンションの場合は家に比べて頑丈なので、柱やフレームなどの基盤自体には欠陥がない可能性が高いです。
不動産価格は内部が頑丈であること、築年数が浅いことの2点をクリアしていれば内部に多少のキズがあっても売却できます。
買い手も中古マンションを希望する場合はリフォームをすることを前提で選んでいるので、多少のキズを突っ込まれることはそこまでないでしょう。
むやみにリフォームしてしまうのは逆にマイナス
欠陥があるマンションを売る場合、リフォームしたほうが査定額が高くなるのは事実です。
ただ、リフォームの施工会社からプランまで自分で決めたいという買い手も多いです。
特に壁やフローリングの修繕は、自分好みの壁紙への張替えなどと一緒にやってしまいたいという方が圧倒的に多いです。
むやみにリフォームをして査定額を上げても成約からは遠ざかってしまうので注意しましょう。
現状引き渡しの場合は買い手に納得してもらうことが大事!
中古マンションの売却では、現状のまま引き渡すのが一般的です。
ただ、不動産知識のない買い手にあたると「キズを直さないで売るなんて失礼じゃないか!」とすごまれることもあります。
もちろん悪いのは買い手ですが、彼らの同意がなければ成約することはできません。
売り手のほうが買い手に比べて弱い立場ということを考えると、こうしたリスクもあることを理解しておきましょう。
このようなリスクを防ぐ方法としては、最初に不動産会社へ問題点を共有し、広告にその旨を記載してもらうのがおすすめです。
問題点を理解してもらってから内覧に来てくれたほうが、スムーズに話が進みますしね!
マンションの状態を正直に伝えることがとにかく重要です!
いくらマンションの現状引き渡しといっても、キズや設備の故障は売り手が把握しており、業者や買い手に共有しておく必要があります。
「現状のままでOKですよ!」と言う買い手だって、今知っているキズの状態を鑑みてOKを出しているだけで、更にトラブルが見つかれば契約解除を願い出るかもしれません。
マンションを引き渡した後に問題が発覚すると賠償の対象となるので、注意しましょう。