不動産売却時に随意契約を結ぶケースってどんなものがある?

不動産売却は、業者の仲介によっておこなわれたり、業者が買い取ったりするのが一般的です。

その他にはローンが残っている物件を売るときに使う任意売却や競売などが有名ですが、これらは入札やマッチングによって取引相手を決める方法です。

一方で不動産売買には、随意契約という国や自治体が任意に決めた相手と契約する方法もあります。

あまり耳慣れない用語ではありますすが、どのような場面に使われるのでしょうか。解説していきます。

通常の売却であれば、こちらに流れがまとめてあるので、「特殊なケースは知らなくても良い」という方はこちらを参考にしましょう!
・https://fudosansatei-tatsujin.com/baikyakucolumn/mansion/outline/

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随意契約は差し押さえられた不動産の売却に使われる方法

随意契約による不動産売却は、主に税金の滞納などによって差し押さえられた物件の売却で利用されます。

通常は業者に仲介を依頼し、買い手を探していきますが、この場合に購入希望者があらわれても売り手側から契約締結を断ることができます。

しかし、随意契約の場合は売り手の意思にかかわらず、一番最初に買受を申し込んだ方に引き渡しをするようになります。

この契約方法は国・自治体が不動産を売却するときに用いられることがほとんどで、個人・法人間の取引では特にメリットがないので用いられません。

入札期間を過ぎた不動産が随意契約で売却されることが多い

公有地・国有地の不動産売買では、費用や準備金は国や自治体の予算から算出されます。

現在は全国的に財政が苦しい状況ですし、国や自治体側としても安く公有地を売るメリットはないので、はじめは入札形式で売られることが多いです。

ただ、公有地になるのは離島などが多いので、個人・法人にとっては利用価値がなく、売れ残ることも良くあります。

こうした場合におこなわれるのが随意契約による不動産売却なので、いわば最後の手段ということですね。

ケースによっては最初から随意契約によって不動産売却されることも!

上記のように、入札→随意契約という方法を多くの場合はとりますが、中にははじめから随意契約の形をとることもあります。

自治体が「競売に適さない」と判断した場合にはこうした方法がとられますが、何をもって「適さない」と判断するかは担当者の裁量によるところが大きいので何とも言えません。

随意契約ができる基準というのも地域によって異なるので、まずは自治体のホームページを調べたり、担当者に問い合わせたりして確認することが大切です。

たとえ厳しい基準が設けられていても、柔軟に対応してくれることも多いので、まずは相談してみることが大切かもしれませんね。

不動産売却における随意契約のメリット・デメリット

この契約方法は、不動産の売却に限らずさまざまな公有財産に利用されます。

ただ、不動産の場合は資産価値が高く、失敗したときの損失も大きいので、他の財産とは違ったメリット・デメリットも存在します。

ここからは、特に不動産を売却する場合のメリット・デメリットを紹介してまいります。

随意契約のメリットは短期間で不動産を売却できること

 
この契約方法で不動産売却をするメリットとしては、とにかく短期間で手続きができるということが挙げられます。

最初に手を挙げた方へ不動産を売るので、最短で引き渡しを済ませることが可能です。

また、多数の購入希望者を精査したり、選択したりする必要もないので、売り手の作業が楽だというのも大きなメリットですね。

競争が生まれないのがデメリット

デメリットとしては、競争が生まれず高額利益が見込めないということがあげられます。

買い手が金額を提示して入札するのではなく早いもの勝ちで取引をするので、競争力は度外視されているということですね。

前述の通り、たとえ公共地であったとしても高額で売却されるメリットは多くあります。そのため、まずは入札をおこなうという方法がとられるというわけです。

個人・法人間の取引は基本的に仲介売却と業者買取の二種類から選択しますが、買取の方が短期で確実に成約できる一方で利益が安いというのも同じような原理になっています。

競争規模が大きいほうが時間も手間もかかる一方で、利益が高額になるというのが不動産取引の基本原理なので覚えておきましょう。

取引の方法はなるべく多く知っておくのがおすすめ

今回紹介した随意契約による不動産売却は、個人ではあまり利用する機会がない方法です。

ただ、こうした不動産取引の方法は多く知っておいて損はないでしょう。

例えば、近年物件をオークションで売る方法が注目を集めていますが、この方法も数年前までは個人間でおこなわれることはほとんどありませんでした。

裏を返せば「自分には関係ない」と思っている方法もいつ流行するかわからないということです。

主流ではない方法も、お得と判断したら選択できるような知識をつけておきましょう!