不動産の所有権を取得した際に発行されるのが、「登記済権利証」および「登記識別情報」です。
これらは所有者本人であっても再発行できないので、発行してからは大切に保管しておく必要があります。
このページでは登記済権利証・登記識別情報とは何なのか、そして紛失した際の対処法を解説していきます。
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目次
登記済権利証・登記識別情報は不動産の権利証
登記済権利証や登記識別情報は、簡単にいえば不動産を所有していることを証明する権利証です。
平成18年以前は法務局で登記手続きが完了した際に、登記済権利証が発行されていました。
登記済権利証はB5サイズほどの書類となっており、所有者の氏名や作成した司法書士の氏名が記載されています。
また平成18年以降は、登記済権利証に代わり、登記識別情報が発行されるようになりました。
登記識別情報は英数字を組み合わせた識別番号が記載されており、識別番号と実印などを提出することで、名義変更手続きなど行えるようになっています。
登記済権利証・登記識別情報はいつ使うの?
- 不動産の名義を変更するとき
- 住宅ローンの借り換えをするとき
登記済権利証や登記識別情報は、所有者にとって不利な手続きを行う際に、本人確認のために必要となります。
たとえば不動産を売却して、買主の名義へ変更する際には、所有権を失うことになるので権利証の提出が必要となります。
また住宅ローンを新しく設定する際にも、不動産に抵当権をつけることになるので、権利証で本人確認しなければならないのです。
登記済権利証や登記識別情報は再発行されないため、紛失した場合には別途手続きが必要となります。
不動産を売却する際には、必ず権利証を持っているかどうか確認しておきましょう。
登記済権利証・登記識別情報を紛失した際の対処法
- 登記官による事前通知
- 司法書士や弁護士による『本人確認情報』の提供
- 公証人による登記義務者であることの認証の提供
登記済権利証・登記識別情報を紛失した際には、上記3つの対処法が用意されています。
災害による紛失や盗難に遭った場合でも、再発行はされないので上記のうちいずれかの手続きを行わなければなりません。
登記官による事前通知
法務局に勤務する登記官に申請することで、本人宛に登記情報変更の意思確認を照会する書面が発送されます。
受け取ってから2週間以内に、登記変更内容に同意する記載をして返送することで、本人確認手続きを終わらせることが可能です。
郵送は本人限定受取郵便で発送されるので、家族が受け取ることはできません。
司法書士や弁護士による『本人確認情報』の提供
司法書士や弁護士と面談して本人確認情報を作成し、提出することで登記情報の変更が可能です。
本人確認情報を作成するには、身分証明書以外に印鑑証明など必要となるので、事前に司法書士か弁護士に確認しておくようにしましょう。
公証人による登記義務者であることの認証の提供
公証人に本人確認をしてもらい、証文分を貰うことで登記情報を変更することができます。
公証役場で手続きを行えれば、公証人に確認してもらうことができるのでおすすめです。
司法書士や弁護士に依頼した場合と比べて、費用は数千円程度と安く済むので、近くに公証役場がある方にはおすすめです。
ただし不動産売買では、同時に買主へ登記情報を移すため、司法書士や弁護士に依頼をして同時に手続きするケースが多いです。
登記済権利証・登記識別情報に関するよくある質問
紛失すると悪用される可能性はある?
登記簿権利証や登記識別情報を紛失したとしても、悪用される可能性は少ないでしょう。
登記情報を変更する際には、権利証や識別情報だけでなく、本人確認書類や印鑑証明も必要となるからです。
そのため権利証を紛失したからといって、所有する不動産を別名義に変更されるといった可能性は低いです。
ただし印鑑証明や身分証明書なども盗まれた場合、悪用される恐れがあるので注意しましょう。
しかし他人の権利証を悪用して行われた登記情報の変更は、後日申し立てることで無効とすることも可能です。
また権利証を紛失した場合、法務局に申請して権利証自体を無効にすることもできるので、心配な方は手続きを済ませておきましょう。
どうして再発行できないの?
登記簿権利証が他人に盗まれたからといって悪用される可能性は少ないですが、権利証を利用して詐欺などの犯罪に使われる可能性もあります。
そのため第三者が取得できないように、権利証の再発行は行っていないのです。
本人が紛失してしまったとしても、本人確認さえできれば登記簿情報の変更は可能なので、リスクを避けるために、いかなる理由があっても再発行には対応していません。
そのため不動産を取得して、権利証を受け取ったときには、早めに再発行しておくようにしましょう。
土地と家を買った場合、権利証は別々になる?
土地と家は別々の不動産と考えられるため、権利証も別々に発行されます。
基本的に一緒に保存していて問題ないですが、家だけを売却するときなどは、土地の権利証も紛失しないように注意しましょう。
まとめ
不動産を取得した際に発行される登記済権利証・登記識別情報は、紛失してしまうと再発行できないので、不動産を売買する際に手続きに手間がかかってしまいます。
あなたが不動産を所有していることを証明する大切な書類なので、紛失することがないよう厳重に保管しておきましょう。
また権利証を保管する際には、盗難された場合のことを考えて、印鑑証明などとは別の場所に隠しておきましょう。